中高年こそ太極拳

太極拳や気功は、老若男女が楽しめるスポーツの一つである。 
特に中高年や老後の健康維持に有効だとして、医療現場でも期待が高まっているそうだ。 
太極拳は中国武術の一つで、陳式・楊式・呉式・武式・孫式という5つの大きな門派がある。 
源流とされるのは陳式・陳家太極拳だが、それを楊露禅が北京に広めてできたのが楊式太極拳で、そこからまた様々な門派ができていったそうだ。 
中国では楊式の次に呉式の愛好者が多く、これも元々は楊式をベースにできた太極拳だ。 
今現在、世界で広く行われている太極拳は、楊式をベースに編纂された二十四式太極拳・簡化太極拳であり、健康のための太極拳としてフィットネスクラブなどで指導されているのは、大抵の場合これになる。 
また陳式の太極拳をベースにした健康太極拳もあって、四正太極拳(しせいたいきょくけん)というものである。 
こちらは二十四式太極拳と比べても、さらに動きが小さく、狭い場所でもできるように工夫されている。 

太極拳は意外にハードなスポーツ

太極拳は、ゆったりとした動きが基本であるため、見た目はあまりハードな印象はない。 
ところがこの太極拳、やりようにやってはかなりハードなスポーツになる。 
というのも動きがユックリなため、動きがごまかせないのである。 
しかも足を開いたまま行う動作が多く、腰を落としたまま動く動作も多い。 
なので下半身を安定させたり、バランス感覚を取り戻すために、太極拳を練習する格闘家も多い。 
太極拳というのは、ユックリと動く間に、自分の身体の隅々にまで注意を行き渡らせ、体の状態をチェックするのにも役立つ。 
また下半身の血流量を増やし、新陳代謝も促進する。 
太極拳を指導している師範・老師はたいてい痩せた人が多いようだが、力試しなどをすると異常に力が強くてビックリしたりする。 
彼らの身体の細さは、身体に無駄がないから細くなっているだけで、動きにも無駄がなくなっているために、最大限の力をいつでも発揮できるような状態になっていると言うことらしい。 
自分の身体の隅々まで自分でチェックすると言うことは、仏教で言う内観にも通じるし、うつ病などの治療に効果が期待されている認知療法にも通じるので、精神衛生効果も期待できるだろう。 
老後の健康のために、是非とも修めておきたいモノである。

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