老後を考えるにあたって、最初に考えないといけないのはお金のことである。
年を取ると、体を使っての肉体労働でお金を稼ぐことは難しくなる。
なのでなんとかそう言う事態を避けたいわけだけれど、果たしていくら必要なのか?政府統計局の平成21年(2009年)の家計調査によると、「高齢無職世帯の家計収支」での生活費の内訳は、こういう風になっている。
高齢無職世帯の生活費の内訳
- 消費支出 20万4千円
- 食料 5万1千円(25%)
- 住居費 1万4千円(6.9%)
- 光熱費・水道代 1万7千円
- 家具・家事用品代 8千円
- 被服履き物代 7千円
- 保健医療費 1万2千円
- 交通通信費 1万9千円
- 教養娯楽費 2万4千円
- 雑費 1万7千円
- 交際費 2万7千円
世帯主が60歳以上の3分の2が無職世帯
高齢世帯の収入は、ほとんどが「社会保障給付」となっている。
社会保障給付というのは、簡単に言うと「年金」てことだ。
これが約16万円となっていて、子供からの仕送りなどは、たったの千円だ。
一方、支出が20万4千円ということだから、老後は毎月4万円ずつ資産を取り崩しているという計算になる。
世帯主が60歳以上の高齢者家計のうち、仕事を持っている人は、たったの15%に過ぎないから老後の生活を考えるとき、仕事があるかどうかで生活の充実度はかなり異なるだろう。
まあそれはそうとして、気になる点がいくつかある。
まず住居費が1万4千円とかなり低いのは、持ち家率が91%もあるからだという。
60歳を超えると持ち家率は非常に高く、しかも住宅ローンを完済していたりして平均的には費用が小さくなっていると言うことだろう。
ただし高齢単身者の場合、持ち家率が68%となるので、持ち家があるかどうかで、老後の生活費は変わってきそうだ。
そしてこれは、単身者も二人以上の家計も合わせたデータであるので、家族人数によっても老後の生活費は変わってくる。
それでは次に、高齢単身者の老後の生活費の内訳を見てみることにする。